私がアルのことを知ったのは、洋ドラマ『アリー my Love』でのこと。本国はもとより日本でも爆発的な人気を誇っています。この番組は、ちょっとエキセントリックでキュートな主人公アリーをめぐる恋愛コメディドラマなんですが、番組中に有名アーティスト（ボンジョヴィ、スティング等）が登場して歌ったり踊ったりと、ミュージカル映画的な特徴をもっています。丁度自分が見た回で、今回の主人公アルがゲストとして登場していました。
アル＝グリーン登場回「心が風邪をひいたら」
http://www.tvgroove.com/am/amhp05.html
上のストーリーを読んで「はぁ？」と思われた方も多いでしょう。幻覚障害の主人公が周囲から薬を飲め飲めといわれても強情に拒否し飲まない。どんな幻覚かというと、理想の男性アルが仕事中も寝てる時も甘い歌声で愛を囁いてくれる・・・というもの。他にも「男尊女卑のブタ」とかＳＭ趣味の「お尻をたたき」とかそんな言葉がバンバン。まぁ、基本的にそういう話なんですが、実際に見てみると心にジンときたり考えさせられるシーンも多かったりします。ちょっとマニア向けのページかもしれませんが、ファンの人は下のＨＰを覗いてみてください。（ちなみにアリー役のキャリスタ＝フロックハートは映画「彼女を見ればわかること」にも出演していて、ちょっとカエル顔の好みの顔立ちですね）
アリー My Love って？
http://www.tvgroove.com/am/
さて、アル＝グリーンですが日本での知名度はいまひとつですが、本国ではスーパースター扱いのようです。向こうの女性にとっては強烈なセクシーシンボルでもあり、日本では考えられないくらいのモテモテぶりだそうです。だからアルのことを知らなかった当時、ドラマでアリーが「アルにメロメロなの・・・」なーんて言っていてもピンとこなかったんですが、向こうでは「そうだよねー、当然よねー」なーんて認識があったんでしょうなぁ。。。
アル＝グリーンについてよく書いてあるのが、毎日放送の「Osaka Blues
Spirits」というラジオ番組のサイトなんですが、非常におもしろい文章でよく書けています。もう終わった番組なんですが、いい記事なので度々引用させてもらいそうですね^^
まぁ、長いのでこの記事をベースにアルってどんな人！？ を書くと・・・・
（サンプル曲はWindows専用です。あしからず）
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ゴスペル・シンガーからソウルへ、そしてまたゴスペルへ
Al Greenの彷徨った熱い魂
「メンフィス・ソウルの貴公子」と呼ばれたアル・グリーン。何と言っても彼の名を世界に知らしめたのは、このセクシーな曲でしょう。 ( Let's stay together/Al Green）
アル・グリーンは10人いる兄弟の6番目としてア−カンサスの綿花畑に囲まれた田舎で1946年に生まれた。兄弟はゴスペルを歌いコーラスをした。元々は敬虔なゴスペルシンガーだったんだね。20才を過ぎて彼は憧れていたサム・クックのようにソウルを歌いはじめ、「君をスーパー・スターにしてやる」と訪ねてきたレコード会社のプロデュサーに口説かれ、本当のソウルのスーパースターに駆け上がった。
サウンドはゆったりして、ソフトでクール、剥き出しのソウルのスタックスと違いシルクの生地をふわっとかぶせた感じがする。ストリングスを入れ、歌はファルセットを使って囁くように歌い、リズム隊はやや重くドライヴしながら淡々とキープされる。この朴訥さを残しつつ、洗練され、エレガントなサウンドは70年代初期「ニュー・ソウル」と言われた時代にぴったりとハマって全米からそのサウンドを歓迎された。元々ゴスペルシンガーだったアルは圧倒的な声量と歌唱力を持ち合わせていたが、囁くようにソフトに甘く・・・という歌い方に徹しアルバムは爆発的に売れた。
あの名曲 「Take Me To The River」 も アルが作ったようです。
http://www.cdnow.com/cgi-bin/mserver/SID=1416576309/pagename=/RP/SHARE/soundclip.html/UPC=2435286792/disc=01/track=15/source=wmf
しかしライヴでのアルはアルバムの印象と全然違い、囁くように歌い始めた曲でも、途中から一気に盛り上げ最後には「ヒィーッ！」とスクリームし、それでも収まらずピョンピョン飛び跳ねながら歌いつづけ、何かに取り憑かれてるみたいで、とにかくそれまで持っていたソフトな印象とまったく違っていた。ハイテンションで、喉をしぼるようなシャウト、ファルセットを多用するジェット・コースターのような歌い回し、そしてその最後までダウンしないパワー。
スターダムの中にいた彼は、突然神の啓示を受けたらしく（この辺は内的宇宙の問題なんでしょうけど）ゴスペルへの回帰を志向するようになる。73年に出したアルバムだが、この頃彼は精神的に混乱していたようで、スターダムの地位と、神への信仰との間で、自分の心に正直に生きているかということを常に自身に問いかけていたようだ。ゴスペルとソウルのアルバムを相互に発表し、神聖なんだけどセックスシンボルというよくわからないスタンスを打ち出した。
ソウルとゴスペルの間を行き来していたアルは、やがて決定的な事件に出会う。当時付き合っていた女性から熱湯を浴びせ掛けられ大怪我し、その女性も自殺してしまったそうだ。この事件を機にアルはスターの道を捨てソウル界を去り、ゴスペルと神の道に進む。これには諸説があるが、当時セックスシンボルだったアルが、熱烈なファンの女の子を自宅に呼んで遊んでいたが、突然その子が錯乱してスープをぶちまけた。やっぱそんなふしだらな生活はいかんなぁ・・・と改心した・・・みたいな記事を読んだことがあるが、実際はどうなのかわからない。
やがて彼は教会を立て、牧師になり、神の道へと進んでいく。来日の折、他のメンバーより遅れて来たのは朝の礼拝にどうしても出たかったからだという話もあったそうな。あのテンションの高さと終わりのないような強烈なグルーヴ感、パワーはやはりゴスペルからきているものだった。あの時点ですでに彼の歌はすべて「神」に捧げられていたのだ。押さえても押さえてもパワーが出てくる感じがすごいです。
My God is Real/Al Green
http://www.cdnow.com/cgi-bin/mserver/SID=1416576309/pagename=/RP/SHARE/soundclip.html/UPC=2438297912/disc=01/track=08/source=wmf
近年はFreeSoulの影響でクラブ系でも彼の再評価が高まっているようです。
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「Osaka Blues Spirits」
http://mbs1179.com/blues/lecture/20000423.html
＜アル＝グリーンについて＞
http://www.listen.co.jp/artdetail.xtp?artistid=19158&artpg=rc
幼少の頃よりゴスペルを歌い、70年代初期にソロとして音楽シーンに登場して以来、立て続けにヒットを飛ばし、神聖かつ世俗的な化身として一般大衆に愛されているソウル・シンガー。
シンプルなアレンジの中に光るスムースで艶のあるシャウト、官能的なため息混じりの声、息もつかせぬファルセット――が最大の特徴である。
交際していた女性から熱く煮えたぎったスープを浴びせかけられ、その女性は自殺。一命を取り留めたグリーンは伝道の道に進み、牧師として任命されるまでになった。牧師になってからは、パターン化された作品が多くなったが、「Let's
Stay Together」や「How Can You Mend a Broken
Heart」といったナンバーは、ソウル・ミュージック自体に多大な影響を与えた。